2019年 新年のご挨拶

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2019年の年頭に当たり、新年のご挨拶を申し上げます。2017年10月末の着任から早いもので1年余が経過しましたが、本年もよろしくお願いします。

(2018年の回顧)
昨年も過ぎ去ってしまえば毎年のように早い一年であったかもしれせんが、当地にお住いの皆さんにとっては、なんといっても2月のサイクロン・ジータ来襲の記憶があまりに大きく、かつなおも生々しく残っているものと思います。一夜明けて目にしたのは、あたり一面なんと無残にも変わり果てた光景でした。電気や水のありがたみをつくづく感じつつ、各国・団体の支援が届く中で、トンガ政府による懸命な復旧・復興作業が始められました。
トンガ国内外の主な動きとしては、一昨年11月の総選挙を経て、昨年1月にポヒヴァ首相率いる第二期政権が発足し、今申し上げたサイクロン来襲の後、5月末には国会が開会しました。6月に国会で採択された予算の歳出規模は過去最大となり、7月には離島部ハアパイ島で国王の公式生誕祭が行われました。そして、9月に国王は国連で演説を行って気候変動に重点を置き、10月には英国からサセックス公爵夫妻が当地を訪問されました。更に、多数の閣僚の辞任を求める民間での嘆願の動きも見られましたが、大きな混乱には至っていません。
日本とトンガの二国間の関係は一段と進みました。5月に第八回太平洋・島サミット(PALM8)が日本で行われ、セミシ・シカ副首相他が訪日し、その機会に全国早期警報システム(NEWS)の交換公文(E/N)が署名されました。そして、6月に国内船用埠頭の竣工式、9月に風力発電の起工式がそれぞれ国王・王妃ご臨席の下で行われ、特に、国内埠頭は国王より「タウファハウ・トゥポウ4世」(現国王の父)の名が命名されました。更に、8月には堀井外務大臣政務官(当時)が訪問しました。

(良好な関係の要素)
両国の関係は全般的に良好に推移していますが、私はその背景として主に次の要素があるのではないかと思っています。
1 心情的、感性的な親しみ 皇室と王室の密接な関係、海に囲まれた島国、言葉の発音等を始め、お互いに似ていることの受け容れ易さを感じ合っていると思います。
2 経済的、政治的な結びつき 我が国の経済協力に対する評価、即ち、丈夫で質が高く安全との点は、トンガ社会の各層に幅広く共有されています。一方で、トンガは国際社会の場で日本の立場や候補を支持、支援しています。
3 文化的、国民的な広がり ソロバン、日本語、すもう、ラグビー等、広い範囲にわたり、長年各種の交流が草の根レベルでもしっかりと続けられてきています。

(今後の両国関係)
そして、私は、今後の両国関係を更に進めていくに当たって、次の諸点が重要と考えています。
1.現在の良好な関係は当然視できず、これまでの両国関係者らの汗と努力に敬意を表した上で、関係を更に一歩前に進めていきたいと思います。
2.両国の関係は一方通行の関係ではなく、相互に相手の協力や支援を必要とする双方向の関係にあると考えます。そして、この互恵的な関係こそが両国の関係を一層持続的なものにしていくと思います。
3.明2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、翌20年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるとともに、日本とトンガが外交関係を開設して50周年という重要な節目(まさに、ゴールデン・ジュビリー)を迎えます。こうした国民規模の大きな行事を機に、皆様方のご協力を得つつ、次の第二・半世紀に向けて関係をより強固なものにしていきたいと思っています。

本年が皆様にとってより良い一年となりますように。そして、トンガと日本の関係が更に深まることを祈念して新年の言葉に代えさせて頂きます。なお、最近、当地では車が目に見えて増えています。お子様を含め、交通事故にはくれぐれもご注意下さい。


石井哲也(在トンガ王国日本国大使)